戦士 | 勇者 | 武闘家 | 賢者 | 魔法使い | 僧侶 | 商人 | 遊び人 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
低 | 早、賢、運 | 賢 | 力 | 力 | ||||
中 | 賢(、早?) | 力、早、賢、運 | 体、賢(、早?) | 力、早、体、賢 | 早、運 | 早、運 | ||
高 | 力 | 力、運 | 体、運 | 体 | 早(?)、運 | 運 | 力、体 | 賢 |
特 | 力(→体?) | 体 | 力、早 |
FDは、チェーンガイドをワイヤーで引っ張ってアウター側に動かすことで、インナーからアウターへの変速を実現する。アウターからインナーへの変速は、ワイヤーのテンションを解除することにより、チェーンガイドを「元の位置に戻す」という、逆の操作で実現している。
ワイヤーで全く引っ張られていないときのチェーンガイドの左方限界位置を決めるのが「LOW」などと刻印された内側の調整ボルトである。ゆえにこの位置決めは、ワイヤーを取り外した状態で行うとやりやすい。当然、フロントもリアも一番内側のギアにしておき、チェーンガイドとチェーンとの隙間がギリギリになるよう、LOWボルトを調整する。マニュアルによればその隙間は0~0.5mmとのことだが、チェーンを回しながら音が出なくなるギリギリまで調整しろということだ。締める操作はガイドをチェーンに接近させる。
一方ワイヤーでこれ以上動かすことのできない右方限界位置を決めるのが「HIGH」などと刻印される外側の調整ボルトである。一般的にはワイヤーを取り付けて行われるが、ワイヤーのテンションによっては、レバーでの変速操作を行っても限界位置まで引っ張られないことがあり得るため、ガイドを手で動かして位置決めする人もいる。つまりHIGH側の調整にワイヤーの取り付けは「必須」ではないようだ。一応マニュアル的には、ワイヤーを引っ張りながら仮付けし、初期伸びを取ったら再び引っ張りながら本付けするとある。その後、フロントもリアも一番外側のギアにしておき、シフトレバーの操作でチェーンガイドを外側に移動させた状態で、ガイドとチェーンの隙間がギリギリになるよう、HIGHボルトを回して調整する。締める操作がガイドをチェーンに接近させる。
ボルトをどちらに回すと、ガイドがどちらに動くのか。忘れてしまいがちだ。LOWとHIGHで動く方向が違うからである。しかし共通しているのは、ボルトを締め込むとガイドはチェーンに接近するという点だ。緩めればガイドはチェーンから離れていく。右に動く、左に動く、という「方向」で覚えていると、どちらがどちらだかわからなくなる。方向ではなく「締め付けで接近、緩めれば離れる」と覚えておけば良いのだ。
次にワイヤーを適切なテンションで張るセッティングを行う。インナーに落とした状態で引っ張られていてはいけないし、アウターに引っ張る際に遊びが大きすぎても引っ張る量が足りなくなって変速がうまくいかない。マニュアルによるとこの調整は、フロント外側、リア内側の、いわゆるギアのたすき掛けをした状態でトリム操作を行った際、チェーンガイドとチェーンがギリギリ内側で接触しないよう位置決めする、という方法で確認するらしい(たすき掛けだからチェーンラインは斜めになっているはずなのに、マニュアルの絵ではチェーンがガイドと並行になっているのが凄く気になる)。チェーンテンションは、ケーブルアジャストボルトで調整する。手で回す微調整用のボルトだ。ダウンチューブ辺りにあるやつ。このボルトでテンションがもっともゆるくするには、ボルトを最奥まで締め込んでしまえばいい。その状態でワイヤーをたるまないように取り付ければ、調整の幅が最も広がるのだ。注意すべきは、この「ケーブルアジャストボルト」については、「締め付ける→テンションが緩む→ガイドがインナー側に動く」逆に「緩める→テンションが上がる→ガイドがアウター側に動く」ということだ。チェーンに接近するかどうかは、内側のガイドか外側のガイドかで異なる。調整ボルトの場合、LOW側なら内側のガイド、HIGH側なら外側のガイドとチェーンとの位置を調整するものであったから、締め付け→ガイドとチェーンが接近、緩める→ガイドとチェーンが離れる、という関係が文脈上自明だった。このようにケーブルアジャストボルトについては、回す方向とガイドが動く方向との関係が若干ややこしいが、方向を間違えないよう、原理の理解をしておくことが一番だろう。わからなくなったら原理を考える。つまり締め付けるとテンションが下がるという事実から、テンション(ワイヤーがディレイラーを引っ張る力)が上げれば、ガイドは外側に移動する、ということが分かる。それだけだ。
以上より、自分なりの調整方法が見えてくる。
基本的にはこれで終わりだ。あれ?テンションの微調整は?という疑問が湧くはずだが、この調整で問題が出たことは殆ど無い。LOW側に落とした状態で適度に張ってあれば、可動域というのはSTIレバーの問題であって、その引き量は決まっている。調整なんかしようがないのが現実だ。ただ恐らくこの引き量というのは、ある程度のワイヤーの遊びが計算されているため、あまりにもテンションがギリギリだと引き量が大きくなりすぎてしまうことは、あり得る。だからケーブルアジャストボルトでの調整が必要になったとしても、本当に「極微量」になることは自明で、変速ができないようなレベルの失敗になることは考えられない。恐らくトリム操作がうまくいかないといった場合に、1/8~1/4戻しか、1/8~1/4増し締めくらいの範囲での調整が有効になるという程度だろう。それ以上の操作は、テンションを上げすぎることで今度はLOW側のリミットを「変えてしまう」。逆にテンションを下げすぎることでHIGH側のリミットが「機能しなくなる」。
ワイヤーテンションの調整が微調整程度では難しくてうまくいかないという場合は、必ずセッティングを最初から見直す必要があるということだ。そもそもバンド付タイプの場合FDの取り付け位置はどうなのか。そしてワイヤーを最初に取り付けた際のテンション調整で弛みが出ていたり引っ張りすぎていないか。この2点を疑うべきだ。でもね。トリム操作なんて、ちょっとだけ動いてくれればそれで何の問題もないわけで、その動く量だってSTIレバーの方で適切に決められているのだから、問題なんか起こりようがないというのが俺の感想だ。
蛇足だが、「HIGH側のリミット」と表現しているが、実はこの方法で直接調整しているのは限界位置ではないんだよね。まあSTIレバーの引き量が決まっているので同じことだけど、モヤモヤしないように書いておこう。
要するに、SHIMANOのマニュアルはそう悪くない。ただし「ケーブルの張り調整」については、トリムがうまくいかないときだけ、アウターローにしてケーブルアジャストボルトでギリギリになるようセットすればいい、ってだけのこと。